「学生にとって何がベストか」を判断し導入を決定

コロナ禍、就職支援にもさまざまな変革が起こりました。その根底にあるのが「オンライン化」です。「オンラインで多くのことができるとわかりました」と紀國部長。学生の個別相談、エントリーシートの添削、企業を招いての説明会などがオンラインに移行しました。特に企業側からは「来年もオンラインで」との要望が圧倒的に多かったそう。しかし一方で、学生たちが情報交換する機会が少なくなったという側面も生まれました。

「対面で話せなくなり、不安を感じたり悩みを抱えたりしています。そういったものを解消するため『オンライントークルーム』というネット上の部屋をつくり、漠然としていてもいいから何でも相談できるようにしました。こういった変革は、常に『学生に満足してもらえるか』を判断基準としています」(紀國部長)

オンラインや電話による個別相談や、学部・研究科との連携により専門性に応じた支援など、大学の中で思い切った変革を実現できたのは、この危機感によるものだったと紀國部長は言います。

「働き方そのものが変わっていますし、進路も多様化しています。学生のキャリア選択に役立つものは何かを意識しています。こんな時だから、外部サービスの導入も学生にとって何が一番いいかを考えて決定しました」(紀國部長)

 

 

社会の課題から逆算するキャリア教育

立命館大学には、キャリア教育を推進する部門として、キャリア教育センターがあり、低学年向けのキャリア教育にも注力しています。1年生を対象にした学部横断型の科目「社会と学ぶ課題解決」では、企業から出題される課題に対して、学生はチームを組んで解決策を考え、プレゼンします。「企業からお招きする講師の方には、学生向けではなく新入社員の研修レベルの課題を出してくれるよう頼んでいます。

こういったリアルな課題を複数学部の学生たちがチームで考えるのですが、それぞれの学部の専門性も求められるものの1年生なのでまだ難しいわけです。まずは企業に提案することで、今の自分に何が足りないかを認識し、これから何をどのように学ぶのかを考えるきっかけにしてもらうことを期待しています」(紀國部長)

はじめに基礎をみっちりと学ぶ従来の教育手法とは、逆のやり方です。教わることに慣れてしまうと、問題意識が育ちません。この授業の良いところは、教員自身にも正解がわからないので、学生の主体的な意欲を伸ばせるところです。

またそれと関連して、「さまざまなキャリアがあることを知ることができるのがOB/OG訪問」と話す紀國部長。「自分だけの情報源を確保することに繋がりますから、漠然と会うのではなくその分野を勉強して仮説を立て、疑問を持って臨んでほしいですね」

キャリア教育の大きな成果は、課題の発見力や解決力を身に付けること。立命館大学では、授業とOB/OG訪問の両面からそれを実現しようとしています。

 


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