仕事も、遊びも、あらゆる人間の営みが“情報”の対象
情報×AI・ITで「世界を変える」ワクワクを創り出す
「情報工学科ではAIをはじめ情報を扱う技術を基礎から学びます。情報とは、大げさに言えば人間の営みのすべてであり、仕事でも遊びでもあらゆることに関係しています。つまり、情報工学の研究テーマは様々な可能性にあふれているということです」
そんな松原教授の研究テーマのひとつがスポーツ情報学だ。
「例えば、サッカー選手にセンサーやカメラをつけて競技をしてもらい、位置情報や生体情報などのデータを収集したとします。そのデータから、選手自身のトレーニング方法の考案やチームの戦術を練るのはもちろん、スポーツの新しい楽しみ方も提案できると考えています。グランドを撮影した映像とあわせて生成AIで加工をすれば、俯瞰で試合を見ることもできるし、選手目線で自分もグランドに立っているかのような臨場感を味わうことも可能です」と、松原教授は目を輝かせる。
さらに、選手目線での映像が信頼できるとなれば、ファールや反則などの判定ルールがこれまでと変わる可能性もあるだろう。自動車の発明ともにルールが整備・普及していったように、新しい技術には新しいルールが必要だ。
「学生には、既存のルールに縛られるのではなく、新しいルールを作っていく側になって欲しい。本学には、医療系分野や人文学・社会科学系など多彩な学問領域があり、スポーツも盛んです。ぜひ自身の興味ある研究テーマを見つけてチャレンジして欲しいですね」
LEDテーブルライトによって、視覚的にもメロディを楽しめる自動演奏ハンドベル。工学部情報工学科1回生の作品
文系・理系の枠を超え、9学部15学科の学生と学びあい
クリエイティブなアプローチでITを活用する力をつける
新しいルールや価値を創り出すためには、プログラミングやデータサイエンスの知識・スキルにとどまらず、経済や経営など社会全般に関する知識も必要だ。その問いに応えるのが、副学長である東野輝夫教授だ。
「本学では、クリエイティブなアプローチでITを活用する力を発揮できるよう、9学部15学科の垣根を超えた学びの場を用意しています。急速に変化し続ける世界のなかで、これからの日本を牽引するのは、情報分野の専門教育を受けたデジタルネイティブ世代の若い人材。ロボット、ゲーム、アニメ、医療、福祉、経済、ビジネスなどさまざまな分野と結びつき、力をつけていって欲しい」
実際、情報工学科と看護学科の学生が協働で、高齢者向けの「嚥下体操チャットボット」という生成AI搭載のプログラムを開発するなど、遊び心のあるプロジェクトが学内のあちこちで立ち上がっている。また、1、2年次からゲームやアニメーションなど自由にものづくりができる環境や学内外で成果を発表する機会があることも学生の成長を支えている。
「最後に、情報を学ぶうえで数学が得意である必要はありません。本学の学生のなかには文系出身で、情報処理学会の全国大会で学生奨励賞を受賞した学生もいます。「なんとなく気になる」「ワクワクする」など、すこしでも気持ちが動いたら、まずはオープンキャンパスやイベントに参加してみてください」
左)副学長 工学部情報工学科・大学院情報学研究科長
東野輝夫教授
右)工学部情報工学科・大学院情報学研究科・情報学教育研究センター長
松原仁教授
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