④ 北里大学 9学部18学科を有する生命科学の総合大学
2024年7月から新1000円札の肖像に選ばれた北里柴三郎を学祖と仰ぎ、1962年に北里研究所創立50周年を記念して創設された大学。相模原キャンパス(神奈川県相模原市)や白金キャンパス(東京都港区)に加え、十和田キャンパス(青森県十和田市)や新潟キャンパス(新潟県南魚沼市)もあり、学部学科や学年によりキャンパスが異なる。2023年4月、未来工学部データサイエンス学科を新設。2024年4月、新潟キャンパス開設とともに健康科学部を新設。2025年4月、獣医学部グリーン環境創成科学科を新設。獣医学部は1年次は相模原キャンパスで、2年次以降を十和田キャンパスで学ぶことになっているが、このグリーン環境創成科学科は、4年間相模原キャンパスで学ぶことになる。海洋生命科学部は三陸キャンパス(岩手県大船渡市)で学んでいたが、東日本大震災後は、相模原キャンパスに移転している。
⑤ 国際医療福祉大学 開学から30年で5つのキャンパスに11学部28学科を設置する大学へ拡大
国際医療福祉大学は、1995年に栃木県大田原市に開学後、学部やキャンパスを追加していき、2015年4月には、国家戦略特区における規制緩和により、成田市において医学部を新設する計画が認められ、38年ぶりとなる医学部を新設。2023年4月、福岡保健医療学部(大川キャンパス)に看護学科を新設。2024年4月、成田薬学部(成田キャンパス)を新設。2025年4月、保健医療学部 (大田原キャンパス)医学検査学科を新設。学科の新設が多いため、1年の動きは小さいが、毎年のように動きがあり、医学部も設置する医療系大学の中では、圧倒的に新しい動きが多くなっている。6つの附属病院をはじめ多数の関連施設を持ち、充実した実習環境を有しているのも特徴の1つ。
⑥ 東洋大学 学部再編・キャンパス移転や新入試など、新しい動きが止まない大規模大学
2020年度から2024年度までの5年間の活動指針となる中期計画を策定し、キャンパスの整備や学部・学科の再編を実施。2023年4月に赤羽台キャンパス(東京都北区)新校舎がオープンし、福祉社会デザイン学部と健康スポーツ科学部を新設、2024年に朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)がリニューアルされ、生命科学部・食環境科学部等が板倉キャンパス(群馬県板倉市)から移転。2025年4月には総合情報学部(川越キャンパス)が専門性を高める3専攻へ改組される。2027年4月には川越キャンパスに新校舎がオープンし、環境イノベーション学部(川越キャンパス)が新設、理工学部のカリキュラムも改編される構想となっている。2025年度入試では学校推薦型選抜基礎学力テスト型が新設され、全国的に話題になった。
学部の新設・改組は分かりやすさも重要。女子大、医療系大学、工業大学、総合大学などの分類はあまり関係ない
学部の新設・改組が連続していると、「躍進している」という印象が強くなるのは間違いないが、このようなイメージがついても、高校生に理解してもらえなければ意味がありません。また、高校や塾の先生から高校生への伝えやすさも重要です。
成長分野に対する国の支援もあり、とにかく学部の新設・改組は多いので、分かりやすさは重要です。18歳人口が減少する中でも、志願者をキープまたは増加させている大学は、学部学科の特徴やカリキュラム構成、学部学科のネーミングについても短時間で理解できる分かりやすいかたちにしています。女子大学だから医療系大学だから志願者は集めづらい、工業大学だから大規模な総合大学だから志願者は集めやすいという単純なものではないです。これからも新設・改組等を連続して実施する大学が出てくると思いますが、注目していきたいと思います。
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