小規模から始め、ともに育てる
健康イノベーション学科は定員35名という小さな規模からスタートする。だがこれは、将来的な拡大を見据えた“戦略的なスタート”でもある。畿央大学は世に先駆けて「担任制」を導入した大学としても知られており、キャリア支援職員と連携し、ダブル担任のような体制で学生の進路や学びをサポートしていく。このきめ細かなサポートと少人数制の学びで、高い国家試験合格率と就職率を実現させ、地域に貢献する人材を送り出している。学長は、「柔軟なカリキュラムを設計することで、時代の変化やニーズに応じて教育内容をスピーディーにアップデートできるのが小規模学科の強み」と話す。
大学での学びや校風について尋ねると、「畿央大学の学生は、真面目で素朴な子たちです。高校を卒業してすぐの1年生が、大学での学び方がわからず漫然と時間を過ごしてしまうのはよくあることですが、畿央大学では様々なプロジェクトを通して先輩と交流し、先輩から学ぶことが多いんです。小規模だからこそ、そういう“縦のつながり”が自然と生まれて、次の学年へと良いサイクルが受け継がれています」という回答が返ってきた。その例として、「建築デザイン学科(健康工学部)」の基となる現在の人間環境デザイン学科(健康科学部)では、外国籍の教授が懸け橋となり、海外の学生たちと協同で奈良県の町家を再生する合同プロジェクトなどを行っている。
これらの学年を超えた繋がりや地域との関りを通して主体性やコミュニケーション能力を身につけた学生たちが畿央大学の何よりの財産だ。学園祭の実行委員に200人以上が自主的に参加するなど、学生の「コミット意識」が高く、学業面・生活面でも自然と主体性が育っている。
既存の医療系学科との学術横断も新学科の魅力のひとつだ。医療や教育の分野で人材を育成してきた畿央大学の知見があるからこそ、“工学”という言葉にとらわれずに、“人の暮らしをよりよくする”視点で、健康をデザインできる。畿央大学の「健康工学部※」は、そんな未来志向の実践型教育を形にするための新たなフィールドとなるだろう。
医療とも福祉とも少し違う。でも確実に社会に必要とされるこの分野で、暮らしに根ざしたアイデアを育てていく。この新しい学びこが、次の時代の「健康」を変えていく。
※設置認可申請中(設置計画は予定であり、内容を変更することがあります。)
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