国際的な学術出版社のシュプリンガー・ネイチャーが世界の都市別に共同研究数を調べたところ、東京がフランスのパリに次いで第2位であることが分かった。中心となっているのは東京大学で、東京で2015年に成立したパートナーシップの8分の1を占めている。
調査は世界トップレベルの論文を国、機関別にプロファイリングしたデータベース「ネイチャー・インデックス」に収録された68の自然科学系ジャーナルに掲載された論文について、共同研究している機関、個人の所在地を都市別に分類した。
それによると、最も多かった都市はパリで、1,932件。次いで東京が920件を数え、第2位に入った。東京で共同研究の論文を発表した数が最多だったのは東京大学。理化学研究所の創発物性科学研究センター長に東京大学出身の十倉好紀氏が就任したことから、理化学研究所との共同研究が目立った。
近年、複数国の研究者による共同研究が盛んになっている。複数国の研究者による共著論文は、ネイチャー・インデックスに収録したもののうち2015年で全体の43%を占めた。質の高い研究に国際協力が欠かせなくなってきていると、シュプリンガー・ネイチャーは分析している。このうち、質の高い研究は同じ都市にいる研究者同士のパートナーシップから生まれることが多く、地理的な近さだけでなく、社会や組織のつながりの深さが影響しているとみられる。
国レベルでは米国と中国が最も強力なパートナーシップを構築しており、日本と米国は世界で第7位に入った。