東北大学メディカルメガバンク機構は、2013年から進めている宮城県民長期健康調査の詳細三次調査に入った。子どもから高齢者まで地域住民調査5万人、3世代調査7万人を対象としたもので、宮城県内7カ所に設置された地域支援センターで調査を進める。
東北大学によると、長期健康調査は東日本大震災からの復興事業として2013年にスタートした。2017年までかけてベースライン調査、2017年から2021年3月までの間に詳細二次調査が進められ、全体で約15万人以上が参加している。
数年以上の間隔を置いて同一人物の経時的な変化を測定する健康調査としては国内最大規模で、大規模地震後の調査は世界で初めてになる。
これまでは身長、体重、握力、呼吸機能、血圧などが測定されてきたが、詳細三次調査では認知機能、新型コロナウイルスの抗体、低音から高音まで幅広い高さの音の聞こえ具合を追加して検査するほか、歩数などライフログデータの記録を始める。これまで参加者へ郵送してきた検査結果を今回からスマートフォンでも送付する。
詳細三次調査で長期健康調査も期間が10年を超えることになる。東北大学メディカルメガバンク機構は多数のデータが加わることにより、ゲノムや生活環境が加齢や発達に加わる影響を解明し、健康長寿社会の実現を目指す。