文部科学省が中央教育審議会大学分科会の大学教育部会に、大学事務職員の規定を見直し、法令上で教職協働を推進して大学の機能強化を図ることを規定するよう提案した。大学の教育、研究の高度化に伴い、事務職員も意思決定に参画する機会が増えているためで、従来の事務に従事することを求められたままでは時代に合わないとしている。

 文科省によると、大学の事務職員や事務組織は学校教育法では「事務職員は事務に従事する」、大学設置基準では「大学は事務を処理するため、事務組織を置くこととする」と規定されているが、提案ではこれをより積極的な活動ができる文言に改めるとともに、教職員間の協働を大学設置基準に新たに盛り込むとしている。

 国内の大学は外国の大学と大学間協定に基づき、国際連携教育課程を編成するジョイント・ディグリー・プログラムの制度化、大規模な産学連携研究、高大接続改革の推進など、教育、研究の高度化、複雑化に直面している。事務職員が教員と連携して業務に当たる事例が急増し、教職員間の垣根を越えなければ対処できないケースも目立ってきた。このため、事務職員個々の資質向上とともに、大学全体の機能強化が求められている。

 文科省はこうした時代の変化に合わせ、学校教育法、大学設置基準の改正を提案したもので、事務職員が果たすべき役割を法令上、明確に示す必要があると判断した。

参考:【文部科学省】大学教育部会(第44回)配付資料(大学事務職員の在り方について)

大学ジャーナルオンライン編集部

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