東京工業大学 工学院 機械系の鈴森・遠藤研究室は、アニメ「攻殻機動隊(こうかくきどうたい)」の描く、近未来テクノロジーの実現を追究するコンテスト、攻殻機動隊リアライズプロジェクト「ザ アワード 2016」の義体(ロボット)部門でグランプリを受賞した。

 「攻殻機動隊リアライズプロジェクト」とは、アニメ「攻殻機動隊」が発表されて25年の節目となる2014年の秋に、企業、大学の研究開発者、公共機関、攻殻機動隊製作委員会が産学一体となって、攻殻機動隊に描かれている2029年の近未来テクノロジーの実現を追究しようと立ち上がったもの。

 今回の「ザ アワード 2016」では、2016年4月から2017年2月までに「攻殻機動隊リアライズプロジェクト」の公式ウェブサイトやSNSで紹介された国内先端テクノロジーニュースの中から、最も攻殻機動隊らしいテクノロジーを選出。さらに、読者のリーチ数、インプレッション数、アクション数を事務局が集計・順位付けした1~10位のニュースの中から、プロジェクト顧問である専門家などによって、「電脳(人工知能)」「義体(ロボット)」の2部門のグランプリと、審査員特別賞を決定した。

 義体(ロボット)部門でグランプリを受賞したのは、東京工業大学の鈴森・遠藤研究室の人工筋肉の研究で、従来より細くしなやかな人工筋肉の研究が評価された。この研究から2016年には東京工業大学・岡山大学発のベンチャーである株式会社 s-muscle(エスマスル)が設立され、人工筋肉を筋繊維として編み込むことで、軽く、柔らかく、着心地のよい介護福祉用サポートスーツやコルセット、 新しいロボットや福祉機器への活用が期待されている。

 鈴森康一教授は、『SFアニメはロボット研究の強い原動力の一つです。その中でも熱心なファンの多い「攻殻機動隊」に評価して頂いたことは大変うれしく思います。これを励みに、人工筋肉のロボット応用研究をさらに加速しようと思います。』とグランプリ受賞の喜びを語った。

大学ジャーナルオンライン編集部

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