株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、2022年卒業に向けて就職活動を行った全国の大学4年生・修士2年生の1287名に対し「大学生の就職活動調査2021」を実施した。学生の仕事に対する価値観変化などの調査結果をもとに、入社後も社員がいきいきと働き、職場に定着・活躍するための採用・就職活動のポイントなど、調査結果から見える実態について公表した。
2022年卒業予定でインターンシップに参加した学生の割合は約70%。2017年卒調査時からおよそ20%上昇している。インターンシップは企業と学生が最初に接点をもつ機会として定着しており、学生は企業理解の場として活用する場合が多いことが明らかになった。
学生の約9割はWEB面接を経験していた。働く上で重視したい社風としては「協調/親和」が最も多くあがった。企業との直接接点が企業理解・志望度の向上に大きく影響することは変わらない一方で、非対面の選考の増加により社風や社員の魅力が意思決定の要因となる比率は低下していることも明らかになった。
リクルートマネジメントソリューションズ研究員によると、最も興味深い結果は、非対面での選考が進んだことで応募者がこれまで以上に「自分が大事にされているか」を敏感に感じ取っていることだ。企業との直接接点が企業理解・志望度の向上に大きく影響することは変わらないが、非対面の選考の増加により社風や社員の魅力が意思決定の要因となる比率は低下している。代わりに、決定のための材料や不安解消の場が多い、自分に時間を割いてくれる、選考が速やかに進むといった点で、自分が大事にされていると感じられることが重視される傾向が見られた。
この結果について、企業にとっては、各タッチポイントでのコミュニケーションの目的や方法を見直し、進化が求められるといえる。例えば応募者の「就業レディネス(社会人になるにあたっての心の準備状態)」、つまり「社会人としての自覚」と「自己理解の促進」という視点がより重要になってくると考えられる。就業レディネスは就職活動の充実にかかわるとともに、入社後の仕事や組織への適応行動を促進する要素である。リクルートマネジメントソリューションズは就業レディネスの向上施策をはじめとして、企業と応募者のこれからの採用コミュニケーションのあり方を提案するとしている。