文部科学省は、日本学生支援機構を通じて「学生等の学びを継続するための緊急給付金」事業を開始した。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある学生等の学びを継続するため、10万円を給付する。「キャリタスContact」による申請を導入している学校はLINEで申請できる。
文部科学省「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」によると、2021年度、コロナを理由とした中退者数は2020年度の385人から781人に増加。休学者全体の数及びコロナを理由とした休学者数はどちらも増加している。2020年度は年度末にかけて中退者数・休学者数が増加したことから、このタイミングでの実施となった。
「学生等の学びを継続するための緊急給付金」の対象者は、日本国内の国公私立大学・大学院、短大・高専・専修学校専門課程、法務省告示に指定される日本語教育機関に通う学生(留学生含む)ら約67万人。
支援対象となる学生は、家庭から自立してアルバイト等により学費を賄っていることや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でその収入が減少していることなどの要件を満たすことを求めているが、最終的には申請内容を踏まえて大学等において判断する。なお日本学生支援機構の給付奨学金受給者には、申請等を要さずに給付金を支給する。
給付金は国内金融機関の本人名義の口座に振り込まれる。
募集は各学校が行い、取りまとめた推薦者リストが日本学生支援機構に受理され、内容が確認できたものから順次送金が行われる。大学側から日本学生支援機構への第1回募集締切は2022年1月21日となっている。
給付金申請方法については、LINEを使った給付金申請フォーム「キャリタスContact」が現在480校に利用されている(2021年12月27日時点)。学生にとって最も利便性が高いLINEの活用を文部科学省が決定し、ソーシャルデータバンク株式会社と株式会社ディスコ社がシステム開発した。申請を受けた学校側は、審査が終了すると同じシステムを使用して日本学生支援機構に提出できるため、学校側としても事務の負担軽減にもつながる。
参考:【文部科学省】学生等の学びを継続するための緊急給付金(令和3年度)
【株式会社ディスコ】令和3年度 文部科学省事業「学生等の学びを継続するための緊急給付金」において、 LINEを使った申請受付フォームとして「キャリタスContact」が採用されました