文部科学省は2021年度科学研究費助成事業で直接経費、間接経費を合計して2,213億円を配分したことを明らかにした。新規採択件数は2万6,550件で前年度より7.1%減少したが、継続分を含めた採択件数全体は8万3,973件と前年度を1.5%上回っている。

 文科省によると、新規採択への応募件数は9万5,208件にとどまり、前年度を8.6%下回った。過去5年間と比較しても最も少ない応募件数になっている。文科省はコロナ禍で課題の研究期間延長が相次いだことなどが響いたとみている。新規採択率は27.9%。前年度の27.4%を0.5ポイント上回った。

 総配分額の2,213億円は、直接経費1,702億円、間接経費511億円で、前年度より0.4%増えた。1研究課題当たりの平均配分額のうち、直接経費は202万7,000円。前年度を1.0%下回り、2017年度以降で最も少ない額になっている。

 女性研究者の採択件数は5,541件で、全体の20.9%を占めた。新規採択率は28.5%に達し、男性研究者の27.7%を上回っている。女性研究者の登録件数は7万1,916人とここ数年右肩上がりで増えているが、応募件数は前年度を下回った。

 40歳未満の研究者の採択件数は8,723件で、全体の32.9%。応募件数、採択件数とも前年度を下回っている。
機関別の採択件数は国立大学が52.9%の1万4,054件、公立大学が7.3%の1,936件、私立大学が28.3%の7,513件、その他が11.5%の3,047件となった。

参考:【文部科学省】令和3年度科学研究費助成事業の配分について

大学ジャーナルオンライン編集部

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