いつ発生してもおかしくないとされる南海トラフ地震など大規模災害に備え、東海地方で大学病院を運営する浜松医科大学、藤田医科大学、三重大学の3校が医療連携協定を結んだ。
浜松医科大学によると、医療連携協定の締結式は名古屋市中村区のマリオットアソシアホテルで開かれ、浜松医科大学の今野弘之学長、藤田医科大学の湯澤由紀夫学長、三重大学の伊藤正明学長が協定書に署名した。
協定は地震や津波などの大規模災害で運営する大学病院が被災し、機能を果たせなくなった際、協定校の大学病院が患者を受け入れるとともに、医療機器の提供や医療従事者の派遣をして高度医療の維持を図る。
南海トラフ地震は政府の地震調査委員会が今後40年間で90%程度の確率で発生すると予測し、被災域が静岡県から宮崎県までの太平洋岸に及ぶとみられている。最悪の場合、全国で32万人以上の死者、238万棟に及ぶ全壊・焼失建物が出るとされ、東日本大震災や阪神・淡路大震災をしのぐ甚大な被害が予想されている。
この中でも、東海地方は最も深刻な被害が発生する場所の1つと想定され、震度7の激しい揺れや高さ20メートルを超す大津波の被害が心配されている。被災時に大学病院は高度医療を提供する拠点として機能することが求められるが、3校は甚大な被害が起きることも想定してセーフティネットの強化を図ることにした。