京都大学大学院経済学研究科の依田高典教授、米シカゴ大学公共政策大学院の伊藤公一朗准教授、政策研究大学院大学政策研究科の田中誠教授ら国際研究グループが、横浜市で2014年度に任意変動型電気料金の節電効果を調べる実験をし、行動経済学の視点で分析したところ、最適な報奨金を設定することで節電効果を増加させる可能性があることが分かった。

 京都大学によると、実験は2011年3月11日に起きた東日本大震災後の2014年度の夏と冬に行った。対象は自発的に参加を希望した横浜市内2,153世帯。需給がひっ迫したときは1キロワット時当たり45円または100円、需給に余裕があるときは21円の電気料金を「介入」として設定。介入を受けるかどうか自己選択できるグループ、介入を受けるといくら得するかを情報提供されるグループ、介入を受けると6,000円の報酬金を得られるグループ、全く介入を受けないグループに参加世帯を分け、ピーク時の節電効果を調べた。

 その結果、介入を受けることを選んだ世帯は自己選択グループで16%、情報提供グループで31%、報酬金グループで48%。適切な報酬金が出れば介入を受け入れやすくなることが分かった。

 介入を受ける世帯の「ネット・ピークカット効果(節電効果)」は需給ひっ迫時の電気料金100円で自己選択グループ32%、情報提供グループ16%、報酬金グループ19%。自己選択率にネット・ピークカット効果を掛けたグループ全体の「グロス・ピークカット効果」は自己選択グループ、情報提供グループ各5%、報酬金グループ9%で、報酬金が節電効果を高めることが明らかになった。

参考:【京都大学】現状維持バイアスの重い腰を上げさせる!東日本大震災後の変動型電気料金に関する横浜市でのフィールド実験(PDF)

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