東北大学東北メディカル・メガバンク計画は、SNPアレイ等で解析し遺伝型決定が行われた約23,000人分の生体試料・情報の分譲を開始する。
東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災からの復興事業として計画されたもので、東北大学東北メディカル・メガバンク機構と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構が事業主体となり、15万人の参加を目標とした長期健康調査を実施している。さらに、長期健康調査で預かった生体試料と医療情報等を統合したバイオバンクの構築も行っている。同計画では、平成29年2月から1万人規模のデータ分譲を既に行っているが、今回はその規模を人数では2倍以上、データ規模では約30倍に拡大したものである。分譲を申請できるのは、日本の学術研究機関(非営利機関)と、本社が日本にある企業などの研究所に所属する研究者だ。
今回の分譲拡大により、東北メディカル・メガバンク計画は、日本において類例のない、大規模なコホート調査(ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、環境・遺伝と疾病の関係を解明するための調査)におけるゲノム情報と生活習慣などの情報提供を開始することになる。これにより、これまで難しかった遺伝要因と環境要因が複雑に絡み合って起こる疾病の原因解明などの研究の飛躍的な進展が期待される。