東北大学大学院医工学研究科のネギヤシ ヤノシュ特任助教、永富良一教授らの国際研究グループ※は、トレーニング中またはトレーニング後の着圧サポーターの着用は、運動後の筋力回復を促進するとは言えないことを明らかにした。疲労を残しにくい新しいトレーニング方法を開発する必要があるとしている。
着圧サポーター(コンプレッションサポーター)とは、筋肉や関節に一定の圧力をかける装着具で、怪我の予防や疲労の回復に効果があるとされている。特に疲労の軽減や筋力回復のために、トレーニング中や試合後に着圧サポーターを使用することが、ここ数十年来、人気を博している。しかし、運動後の筋力回復に対する着圧サポーターの有益な効果に関するデータは、まだ結論が出ていなかった。
研究グループは、代表的な複数のデータベースから体系的な文献検索を行い、350人の健常者を含む19のランダム化比較試験からデータを抽出し、メタ分析を行った。運動の種類、着圧サポーターを貼る部位とタイミング、運動終了からその後の検査までの時間が考慮された。その結果、着圧サポーターを使用しても、トレーニング中・トレーニング後の筋力回復には効果があるとは言えないことが示された。
着圧サポーターは、これまで、怪我の予防や疲労の回復に効果があるとされてきたが、今回の研究により、少なくとも疲労回復に効果があるとは言えないことが分かった。これにより、疲労を残しにくい新しいトレーニング方法を開発する必要があるとしている。
※他にオランダ・グローニンゲン大学、英国セント・メリーズ大学、ドイツ・ポツダム大学が参加。