2022年1月に実施された大学入学共通テストの数学の難化が指摘される中、大学入試センターは問題評価・分析委員会の報告書を公表した。その中で日本数学教育学会は今後、試験時間の配分を十分に考慮するよう求める意見を出している。

 大学入試センターによると、日本数学教育学会は「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」とも「マークシートの出題方式という制限がある中、思考力や問題解決能力を問う設問が適切に出題された」と一定の評価を示したものの、「多くの受験生は時間が足りなかったようで、試験時間の配分を十分考慮する必要がある」と指摘した。

 各都道府県教育委員会が推薦した高校教員らの評価が「難易度や分量は適切」、問題作成部会の自己評価が「関係団体から高い評価をいただいた」としているのと対照的で、暗に問題の難化を指摘したとの見方もできる。

 2022年度の数学平均点は100点満点で「数学Ⅰ」が21.89点、「数学Ⅰ・数学A」が37.96点、「数学Ⅱ」が34.41点、「数学Ⅱ・数学B」が43.06点。前年度に比べ、「数学Ⅰ」が17.22点、「数学Ⅰ・数学A」が19.72点、「数学Ⅱ」が5.1点、「数学Ⅱ・数学B」が16.87点下がっている。

 学習塾や予備校関係者らからは、大学入試センター試験の時代も含め、これまでにない難問が出題されたとする声が相次いで上がっている。

参考:【大学入試センター】令和4年度大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書(本試験)

大学ジャーナルオンライン編集部

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