静岡理工科大学 情報学部 情報デザイン学科の本多明生准教授(専門:心理学)と尾形加奈恵さん(2021年度卒業生)が静岡県の高校における校則の学校ホームページでの公開状況を調査したところ、2021年末の時点ではほとんど行われていないことがわかった。

 一部の学校で必要かつ合理的な範囲を逸脱した「ブラック校則」の存在が議論を呼んでいる。こうした状況を背景に、文部科学省は校則の運用・見直しを含めた「生徒指導提要」(小中高校での生徒指導に関する教職員向けの手引書)の改訂案を2022年8月26日に公表した。

 12年ぶりとなる改訂案では、校則に基づく指導に際して「何のために設けた決まりであるのか、教職員がその背景や理由についても理解しつつ、児童生徒が自分事としてその意味を理解して自主的に校則を守るように指導していくことが重要」として、「校則の内容については、普段から学校内外の者が参照できるように学校のホームページ等に公開しておくことや、それぞれの決まりの意義を理解し、児童生徒が主体的に校則を遵守するようになるためにも、制定した背景についても示しておくことが適切である」と説明されている。

 今回の調査は「生徒指導提要」改訂に先行して2021年11月1日から12月17日に実施したもので、県内の高校134校(分校5校は除く)に調査票を郵送し、返送された60校(回収率44.8%:公立校37校、私立校21校、未回答 2校)の回答を分析した。

 調査によると、ホームページを利用した校則の公開を行っていた学校は2校(回答校の3.3%)で、今後公開を行う予定がある学校は6校だった。

 校則の公開が行われていない理由で有意に多く選択された項目は「在校生に校則を記した資料を配布しているため(85.0%)」「校則をホームページで公開する対象として捉えたことがないため(66.7%)」であり、校則は在校生向けの内部情報として捉えられていたことが示唆された。

 また、今後、校則の公開を促進する要因で最も多く選択された項目は「校則を公開する意義がこれまで以上に社会的に明らかになること(58.3%)」で、次いで「教育委員会からの要望や意見があること(51.7%)「校則の見直しや公開に関する具体的なガイドラインやマニュアルが提示されること(50.0%)」が挙がった。

 岐阜県など一部の自治体では学校ホームページを利用した校則の公開が進んでいるものの、静岡県をはじめとする多くの自治体の学校ではこれからの課題になると考えられる。生徒指導提要の改訂によって学校のホームページ等で校則を公開する意義が社会的に明確化されることから、情報公開がこれまで以上に進むことが期待される。

 なお今回の研究成果は、2022年9月8日から11日に日本大学文理学部で開催された日本心理学会第86回大会にて「高等学校におけるホームページを利用した校則の情報公開状況:2021 年静岡県実態調査」というタイトルで発表された。

参考:【静岡理工科大学】県内高等学校のホームページでの校則の公開状況の調査結果について 

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