順天堂大学医学部人体病理病態学講座(順天堂大学練馬病院 病理診断科) 小倉加奈子先任准教授および發知詩織助手は、課題を見つけ、解決する力を育むSTEAM教育※において、医学部初の試みとなる「MEdit Lab (順天堂大学STEAM教育研究会)」を順天堂大学内に発足し、専用サイトを開設した。

 小倉先任准教は、2020年8月に経済産業省が公募した「学びのSTEAM化」実現に向けたSTEAMライブラリー事業に対して、編集工学研究所と協力し、高校生から一般向けの医学をめぐる学際的な教育コンテンツ「おしゃべり病理医のMEdit Lab -医学Medicine×編集Editで世界を読む」を提案。医学分野として唯一採択され、2021年3月に提案したコンテンツが一般公開された。

 2021年にも同事業に2年連続で採択され、コンテンツの拡充を図った。これまでに制作した動画教材を活用し、STEAM教育ならびにその研究活動の場の構築を進めることを目的に「MEdit Lab (順天堂大学STEAM教育研究会)」を発足した。

 MEdit Labでは、研究会メンバーが開発した動画教材「おしゃべり病理医のMEdit Lab」を活用したセミナーを開催したり専用サイトを通して様々な情報を配信する等、高大連携を進めながら、リベラル・アーツとしての医学や医療情報の共有の場を構築していく。

 MEdit Labのコンセプトは以下の5つ。
①医学と医療を学ぶコミュニティ
医学や医療に興味をもつ中高生、大学生、そして保護者や教員、ドクターも集うコミュニティづくり
②「リベラル・アーツ医学」の発信サイト
中学、高校で学ぶ教材をはじめとした他のジャンルを組み合わせることによる新たな医学教育の発信
③MEdit Lab教材開発のための研究所
中高生や教員の興味とニーズを結集した医学教材開発
④高大産学連携で取り組む息の長い学びの場
組織、専門、年齢、職種をまたいで長く広く深く連続していく学びの場づくり
⑤偶然を必然に変えていく学びの実験室
様々な偶然、きっかけを学びのエンジンにしていく実験の場

 小倉先任准教授は、「医学は医学部で学ぶ高度に専門的な学問だ、という意識が強すぎるせいか、中等教育において医学を扱う試みはほとんどありません。しかし、医療の在り方も、その土台となる医学の将来像も、社会の変化に伴って変わっていくものです。これからの時代は、医学や医療を歴史や文化など多様な視点から観察、評価し、変革していく“総合的な知の力”が必要であると感じています。 とりわけ、医師を含め医療従事者は、多様な価値観を有する病める方々に寄り添っていく必要があり、最新の医学知識を学び続けるだけではなく、多様な社会や文化への理解も不可欠です」と、医学や医療をSTEAM的な観点で学ぶ場の必要性を語った。

※「STEAM」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(s)(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字をとった造語。課題を見つけ、解決するための力を育み、協働にも重きを置く、教科横断的な探究学習のことを指す。 「おしゃべり病理医のMEdit Lab」においてはMがMathematicsではなく、Medicine(医学)を指す。

参考:【順天堂大学】課題を見つけ、解決する力を育む医学部初のSTEAM教育への試み「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」が発足、専用サイトオープンへ 

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