第4回輝く女性研究者賞の受賞者が決まり、2022年11月6日、東京都江東区青海の日本科学未来館で表彰式があった。輝く女性研究者賞(ジュンアシダ賞)には明治大学農学部の戸田安香特任講師、輝く女性研究者活躍推進賞(ジュンアシダ賞)には東北大学、輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)には東京大学生産技術研究所の杉原加織講師が選ばれた。
科学技術振興機構によると、戸田特任講師はキッコーマン研究院から明治大学農学部研究員などを経て2021年から現職を務めている。味覚受容体のうち、うま味受容体の高感度機能評価法を開発し、鳥類や霊長類のうま味受容体分子進化を研究している。特に鳥類の一部が甘味受容体遺伝子を失いながら、うま味受容体を使って花蜜など甘い食物を検出するようになったメカニズムや、霊長類のうま味受容体が進化の過程で感受性を変化させるプロセスの研究で高い評価を受けた。
東北大学はサイエンス・エンジェル制度を設けて女子中高生の理系進学を促進しているほか、女性教職員の積極採用、上位職登用、女性研究者の育成に力を入れている点が評価された。
東京大学生産技術研究所の杉原講師は独マックス・プランク研究所研究員、スイス・ジュネーブ大学助教を経て2020年から現職を務めている。細胞膜を構成する脂質を中心にナノ材料分野で顕著な研究成果を上げただけでなく、近年は抗菌作用を持つペプチドや医療用不織布マスクにも研究分野を広げたことが評価された。