静岡大学情報学部の市川淳助教の研究グループは、BBQから協調性の基盤を解明する研究のため、クラウドファンディングを開始した。

 日常のなかで、このメンバーならできると思ったはずが進まなかったり、自分と隣のグループで進捗具合が異なったりすることがある。当研究グループは経験年数だけでは語れない協調性のメカニズムを、分業やインタラクション(相互作用)の観点から明らかにしていく。身近な社会活動のフィールド計測から、うまくいくグループの特徴を統計的に検討することを目的とし、今回はBBQを題材に、トラブルへの対処等に着目する。

 BBQは炭に火がつかないなどのトラブルが起こりやすく、お昼等の限られた時間で楽しく食事するためには自ずと分業が行われ、周囲の状況を理解する必要があると考えられる。分業、周囲の状況理解、トラブルへの対処は集団スポーツと類似する一方で、環境が自然で役割が未決定な状態から始まり、個々の自由度がより高くノルマが必ずしも明確ではない点が異なり、協調性を学術的に検討するうえでBBQは興味深い題材といえる。

 具体的には、4、5名を1組に設営や調理、食事、片づけといったBBQの活動過程を接地・俯瞰撮影して10組ほど観測し、さらに、活動を振り返るアンケート調査も実施。接地撮影の動画から会話や行動を参考に、トラブルや各メンバーの役割に関する注釈を付与する。そして、短時間で調理できた、あるいはアンケートで楽しく活動できたと回答したグループの分業やインタラクションに関する仮説を設定。その後、俯瞰撮影の動画で取得した道具や個人の位置の時系列データから集団の動きを解析して仮説を検証する。スポーツ科学や生物学のように集団の動きを分析し、会話やアンケートと対応づけて分業やインタラクションを議論することで認知科学や心理学との接続が実現して協調性研究の発展も期待される。

 研究グループは、挑戦的な取り組みのため、探索的に研究を進めること、さらに設備や食材の調達など通常の研究費では支出が難しい側面があることから、柔軟に使用できる予算を確保するためにクラウドファンディングを行う。資金は設備や食材の調達、分析の下処理などに協力するアルバイトへの謝金、論文投稿に向けた英文校正費や掲載費等に使用する。目標金額は60万円で、期間内に目標金額を超えた場合のみ受け取ることができるAll or Nothing形式で募集する。募集期間は2023年1月25日(水)10時~3月23日(木)17時。

参考:【静岡大学】BBQから協調性の基盤を解明するためにクラウドファンディングを開始 ―スポーツ科学や生物学との接続を実現する認知科学研究― 

大学ジャーナルオンライン編集部

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