株式会社NTTドコモ、慶應義塾大学大学院、名古屋工業大学大学院は、2022年1月にドコモが開発した、人間の感覚をネットワークで拡張可能にする「人間拡張基盤®」において、モノに触れた時の触覚を「人間拡張基盤」で相手の感じ方に合わせて共有する技術「FEEL TECH™」を開発した。相手の触覚に対する感度特性を踏まえて触覚を共有する基盤技術の開発は世界初。

 この技術は、センシングデバイス(触覚を把握する機器)、アクチュエーションデバイス(再現する駆動機器)、「人間拡張基盤」(触覚の感度に対する個人差を加味した共有を行う基盤)で構成される。モノを触ったときの振動をセンシングデバイスにより計測し、アクチュエーションデバイスを用いて振動を再現する。アクチュエーションデバイスの振動で再現する触覚は、視覚となる映像と合わせた形で共有される。

 また、「人間拡張基盤」は、共有相手の触覚に対する感度特性を踏まえた振動を提示し、相手が感じやすい触覚共有を行う。さらに、個人の触覚を記録し、時間を超えた共有も可能。「人間拡張基盤」により、任意の相手やデバイス、n対nでの触覚共有、さらには時間を超えた触覚共有が可能となり、例えば、職人にしか認識できないような触覚の違いを素人でも認識することや、昔触った感覚をリアルな形で思い出すことが可能となる。

 この技術による触覚共有の実現により、映像や音、文字や言葉による表現だけでは伝えきれなかった感覚を共有できるため、医療や伝統工芸などの感覚を重視する技術への活用が期待できる。また、ECサイトで洋服などの商品の手触りまで伝達できるため、3DやARだけでは味わえないリッチな購買体験が可能となるという。

参考:【株式会社NTTドコモ】docomo Open House’23出展:世界初、6G時代に新たな価値を提供する「人間拡張基盤」によって相手の感じ方に合わせて触覚共有する技術「FEEL TECH」を開発-触覚を記録し、相手に共有することも可能に-

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