山梨大学大学院総合研究部の由井秀樹特任助教らエコチル調査甲信ユニットセンターの研究チームが小児に採血を肯定的に受け止めてもらう方法を調べたところ、十分な説明と、努力に対する感謝の言葉が重要であることが分かった。
山梨大学によると、研究チームは2020年4月~2021年3月に実施した学童期検査・総合健診参加の小学2年生に対するアンケート調査を分析するとともに、2021年7~10月に20人の小児にインタビューした。
その結果、小児が採血を肯定的に受け止めるために必要なこととして、
・採決する理由を詳しく説明する
・採血量が少量であることを伝える
・局所麻酔のリスクとメリットを保護者へ丁寧に説明する
・採血作業を迅速に行う
・強い恐怖や痛みを感じたり、採決に時間がかかったりしたときは、周囲の大人が協力や努力への感謝を伝える
・血液を研究に使うときは研究結果を伝える
-が重要であることが明らかになった。
研究チームは、調査対象が小学2年生であるため、自分の経験を言葉でうまく伝えられない可能性があるほか、スタッフに気を使って肯定的な評価をしたことが考えられるとして、さらなる調査を異なるシチュエーションで実施する必要があるとしている。
なお、以前からこの8歳総合検診での採血には麻酔パッチを用いた局所麻酔、採血部屋のアニメキャラクター装飾、ディストラクション(採血中にタブレット端末でアニメを見たりゲームをしたりして気を紛らわすこと)などを行っており、この調査でも麻酔パッチによる局所麻酔を施して採血を行ったケースを分析しているが、日本では診療の現場で採血やワクチン接種の際局所麻酔を用いることは一般的ではない。