2019年度の全国大学図書館資料費が前年度に比べて1億円増え、長引く減少傾向から増加に転じたことが、文部科学省の集計で明らかになった。紙媒体の資料費は依然として減少しているが、電子媒体の資料費が増えている。

 文科省によると、2019年度の全国大学図書館資料費は709億円。内訳は紙媒体の資料費が256億円、電子媒体の資料費が342億円など。電子媒体のうち、電子ジャーナルの資料費が325億円を占めた。紙媒体は前年度より17億円減ったが、電子媒体は12億円増えるなどしたため、全体で前年度の708億円を上回っている。

 全国の大学図書館資料費は2015年度に746億円あったが、その後毎年減少を続けてきただけに、ようやく歯止めがかかった格好。研究成果をインターネット上で公開する機関リポジトリを持つ大学は、前年度より17校増えて620校になった。

 しかし、人件費などを含めた図書館運営費は744億円にとどまり、前年度より3億円減少した。18歳人口の減少、国の財政難など大学図書館を取り巻く環境が悪化する中、図書館運営費を削減せざるを得ない苦しい台所事情がうかがえる。

 学内ネットワークを持つ大学801校のうち、通信速度10ギガビット以上の回線を整備しているのは272校あった。セキュリティ対策のポリシー策定は国立大学で全校が終えているが、公立大学は5校、私立大学は154校が未整備だった。

参考:【文部科学省】令和2年度「学術情報基盤実態調査」の結果報告について-大学における大学図書館及びコンピュータ・ネットワーク環境の現状について-

大学ジャーナルオンライン編集部

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