東京工業大学、北海道大学、東京大学、京都大学のグループは、弾性波を使うことで、飼料用トウモロコシ茎部の変形しやすさを非破壊的かつ迅速に、高精度で計測する新技術を開発することに成功した。

 国産飼料用トウモロコシの生産には、台風や豪雨によりトウモロコシが倒れ伏す「倒伏」という現象が課題の一つとされる。倒伏は穀実作物に広く発生し、収量と品質を低下させ、作業速度の大幅な低下を引き起こす。一方、飼料用トウモロコシの生産を経済的に成り立たせるには、大規模で効率的な生産を実現する必要があり、倒伏の発生回避は重要な課題だ。

 これまでの穀実作物の倒れにくい性質をもつ系統(耐倒伏性系統)の選抜では、材料試験機を用いた破壊的検査が行われてきた。この方法は、ほ場から個体単位で茎葉部を刈り出し、茎部断片を作成し、新鮮なうちに曲げ試験により強度を求める必要があるため、トウモロコシの育種への適用は困難であった。

 研究グループは、地震工学に着想を得た超小型センサーアレイを開発し、物理数値シミュレーションと組み合わせて、トウモロコシ品種のヤング率(かたさ・やわらかさを表す値の一つ)を迅速・高精度に評価する手法を提案。研究では、トウモロコシ地際部(じぎわぶ)を軽く叩いて発生させた弾性波(組織内部を伝搬する波)を、茎に取り付けたセンサーアレイで観測・解析して0.1秒以内に茎部のヤング率を計測した。さらに、物理数値シミュレーションと、ほ場試験とにより、新技術で得られたヤング率の妥当性を確認した。

 今回の研究成果がイネ・コムギ・ダイズなどにも応用され、台風や豪雨でも倒れにくい品種の育成に役立つことが期待されるとしている。

論文情報:【Scientific Reports】Non-destructive high-throughput measurement of elastic-viscous properties of maize using a novel ultra-micro sensor array and numerical validation

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明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

京都大学

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自学自習をモットーに、常識にとらわれない自由の学風を守り続け、創造力と実践力を兼ね備えた人材を育てます。 学生自身が価値のある試行錯誤を経て、確かな未来を選択できるよう、多様性と階層性のある、様々な選択肢を許容するような、包容力の持った学習の場を提供します。[…]

北海道大学

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北海道大学の起源は、1876年に設立された札幌農学校に遡る。長い歴史の中で、「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」及び「実学の重視」という基本理念を掲げ、培ってきました。 この理念の下に国際的に通用する高度な学問的素養をもち、的確な判断力とリーダ[…]

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