2023年4月13日、大分大学医学部附属病院は病院内に日本で初めて患者の外見ケアをサポートする「ケアメイクルーム」を新設。株式会社アデランスのブースも設置された。

 大分大学とアデランスは、抗がん剤治療の副作用である脱毛の予防に関して、2013年に共同研究の契約を締結し、産学連携のプロジェクトをスタートさせた。2022年7月には寄附講座「先端がん毛髪医療開発講座[アデランス]」を設置し、抗がん剤脱毛や抗がん剤による皮膚障害の悩みを少しでもサポートすべく研究を進めている。

 2016年には大分大学医学部附属病院に、病院内ヘアサロン「ヘアサロン こもれび」をオープン。患者のQOL向上を目的に病院内に常設している理美容室で、シャンプー、ヘアカットといった一般的な理美容サービスの提供だけでなく、脱毛に関する相談、医療用ウィッグの取り扱いやアフターサービスの実施、メイク・ネイルの施術など、患者さまの外見ケアをワンストップで提供している。

 今回、大分大学医学部附属病院内に新設されたケアメイクルームは、患者のQOL向上を目的に、患者とその家族、地域住民など幅広く外見ケア・化粧療法などを総合的に提供する場を目指して構想された。公益社団法人国際化粧療法協会が運営を行い、まずは外見ケアに関する情報の提供と化粧品の展示から開始。ケアネイルなどの施術(2023年6月頃を予定)、化粧品紹介(販売構想)と化粧療法研修など段階的に展開していく。

 アデランスは、これまで医療用ウィッグの開発や病院内ヘアサロンの運営を通じて、患者の外見ケアをサポートする活動に取り組んできた。今回、日本初となるケアメイクルームと、病院内ヘアサロン「ヘアサロンこもれび」の連携を図るべく、アデランスブースが設置された。アデランスのブースでは、医療用ウィッグに関するパンフレットを設置・配布するほか、ブラインドメイク®※を広める活動を行う一般社団法人日本ケアメイク協会と共同で開発したユニバーサルデザイン(UD)化粧パレット『BLINDMAKE UD パレット(ブラインドメイク ユーディー パレット)』や、頭皮用保湿ローション『HairRepro MEDIα(ヘアリプロ メディアルファ)』など、外見ケアに関する商品を展示する。

※ブラインドメイクとは、視覚障害者が鏡やブラシを使わずに指を用いて自分自身でフルメイクが出来る化粧技法のことを示す。

参考:【株式会社アデランス】大分大学医学部附属病院に開設された日本初の「ケアメイクルーム」にアデランスブースを設置~頭皮用ローションやユニバーサルデザインの化粧パレットなどを展示~(PDF)

大分大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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