障害のある学生など働きづらさを抱える若者の就職支援を行う株式会社エンカレッジは、障害のある学生のためのキャリア教育プラットフォーム事業「家でも就活オンラインカレッジ」を開始する。全国の大学および企業が横断的に参画、協働することで、十分なキャリア教育を受けられていない障害のある学生に、機会を提供していく日本で初めての試み。

 エンカレッジの新卒障害学生紹介サービス「家でも就活オンライン」は、2020年より計1000名以上の障害のある学生の就職支援に取り組んできた。そこで見えてきたのは、就職活動への第一歩を踏み出すのが難しい学生が数多く存在する一方で、大学がそうした学生の支援に十分なリソースを割けない現状だった。

 学生側にとっては、「学業で手一杯で、働くことに繋がる経験が積めていない」「就活やインターンに進むことの不安が強い」「障害のある学生に特化した就活の進め方や、働く障害者のロールモデルがない」といった悩みがあり、一方、支援を行う大学は、「修学支援で手一杯で、キャリア教育・就活支援にリソースが割けない」「1校当たりの対象学生数が少なく、サービスを充実させにくい」「キャリア支援に必要な情報が手に入りづらい」という背景があり、障害のある学生のキャリア支援を充実させることが困難な現状がある。

 そこで、エンカレッジでは、全国の障害のある学生のためのキャリア教育プラットフォーム「家でも就活オンライン カレッジ(略称:家カレ)」を2023年6月22日にリリースする。京都大学など30大学が初期参画するほか、株式会社マイナビパートナーズをパートナーとして、トヨタ自動車など6企業にが協賛・協力する。

 「家カレ」では、社会に出ていくための準備セミナー、オンラインOB・OG訪問、企業人事担当者との座談会、実際に会社で行われている業務を体験できるオンラインインターンシップ、職業準備性を高めるための動画コンテンツなどを参加学生に無償で提供。また、本プロジェクトに関わる関係者同士で情報共有、意見交換を行う場をオンライン上で設けることで、障害のある学生の社会移行支援についてのナレッジを共有していく。

 「家カレ」は今後ますます増えることが予想される全国約4万人の障害学生に対し、安心して自身のキャリア形成に踏み出すためのステップを提供するとともに、大学支援者だけではカバーすることの難しいキャリア教育についての豊富な企画、コンテンツや、ノウハウ共有の場を提供する。

 2023年6月22日にはキックオフイベントとして、参画大学、協賛/協力企業が一同に介し、プラットフォームの概要説明や関係大学、企業による意見交換を行うオンラインイベントを開催する。参加費は無料。

◆参画大学
京都大学、名古屋大学、電気通信大学、大阪大学、岐阜大学、岐阜聖徳学園大学、筑波技術大学、徳島大学、横浜国立大学、成蹊大学、三重大学、神戸大学、香川大学、立命館大学ほか30大学
◆パートナー
株式会社マイナビパートナーズ
◆協賛・協力企業
トヨタ自動車株式会社、ソニーグループ株式会社、TOTO株式会社、、パナソニックグループ、株式会社堀場製作所(HORIBAグループ)

参考:【株式会社エンカレッジ】家でも就活オンライン カレッジ

大学ジャーナルオンライン編集部

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