アクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社は、日本工業大学に492本の傘を寄贈した。日本工業大学機械工学科3年の林大翔さんが発案したリユース傘プロジェクトの内容に賛同したもの。2023年6月9日、同社にて傘の寄贈式が行われ、日本工業大学からは発案者の林大翔さん、リユース傘の運営を担当する学生環境推進委員会委員長の赤澤颯さん、学長補佐で機械工学科竹内貞雄教授をはじめとした関係者8名が出席した。

 林さん発案のリユース傘プロジェクトは、「地球も人もストレスのない社会へ」をコンセプトに、落とし物傘や研究室で眠っている余り傘を再利用し、急な雨で困った際に誰でも無料で傘をレンタルできるシステム。アクサ・ホールディングス・ジャパンではこれまで社内の忘れ物などの傘をそのまま処分していたが、日本工業大学のホームページに掲載されていた本プロジェクトに注目し、寄贈を提案した。

 日本工業大学によると、国内の傘の年間消費量は1億2000万~3000万本にのぼり、年間で警視庁の遺失物センターに約30万本届くのに対し、返却率はわずか0.9%に留まる。また、ある廃棄物処理工場では月に20~30トンの傘が焼却処分されている(日本洋傘振興協議会から引用)。さらに、約60cmのビニール傘は、製造から焼却までの過程において692g-CO2が排出されるデータもある(環境省廃棄物・リサイクル対策部/3R原単位の算出方法より)。

 このような現状を「もったいない」と考えた林さんは、傘の循環利用を目指して学生環境推進委員会にこの企画を提案。2022年12月からキャンパス内4カ所に傘立てを常設し、レンタルサービスの運用を開始した。リユース傘は「NIT-SDGs」シールが貼付されており、必要な時に誰でも自由に使うことができる。現在埼玉キャンパスの24カ所にリユース傘専用傘立てを設置しており、管理・点検メンテナンスを学生環境推進委員会が担っている。

参考:【日本工業大学】本学に492本の傘が寄贈 ~リユース傘プロジェクトに賛同のアクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社より~

大学ジャーナルオンライン編集部

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