基礎生物学研究所と中部大学の研究グループは「ヘイケボタル」のゲノムの解読に成功。また米国マサチューセッツ工科大学と共同で米国産ホタル「フォティヌス・ピラリス」のゲノムも解読した。両者の比較により、ホタルが1億5百万年以上前に光る能力を獲得したことが明らかになった。

ホタルの発光は、ルシフェラーゼと呼ばれる酵素とルシフェリンと呼ばれる基質の反応により生じる。この仕組みを使った発光技術はバイオ・医療分野で広く活用されているが、ホタルがいつどのように発光機能を獲得し進化したかは不明だった。

今回、日米共同チームは共通祖先を持つヘイケボタルとフォティヌス・ピラリスのゲノムを解読。ヘイケボタルのゲノムは9億塩基対、フォティヌスのゲノムは4億7千万塩基対のDNAから構成され、その中にそれぞれ約1万5千個の遺伝子を同定した。

解析の結果、ルシフェラーゼ遺伝子の起源は生物が普遍的に持つ「アシルCoA合成酵素」という脂肪酸代謝酵素の遺伝子であり、この遺伝子がゲノム上に連続して次々にコピーされる「遺伝子重複」を生じ、その一つが突然変異により発光活性を持つルシフェラーゼに進化したことが判明した。さらに、ルシフェラーゼはもう一度遺伝子重複を起こし、一つはホタルの成虫の発光器官で、他方は卵とさなぎで発光するように進化した。両ホタルは共通祖先から1億5百万年前(白亜紀)に分岐したが、これらの遺伝子重複はそれ以前に生じたことになる。

今後はルシフェラーゼ遺伝子以外の発光を支える遺伝子群の解析が課題となるという。今回解読したゲノム情報などのデータがその重要な基盤となり、これらの遺伝子の解析が加速度的に進むことが期待される。

論文情報:【eLife】Firefly genomes illuminate parallel origins of bioluminescence in beetles

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