2019年3月卒業予定の大卒採用で民間企業の9割近くが「採用活動が厳しい」と考えていることが、就職情報サービスのディスコが実施した全国調査で分かった。深刻な人手不足が続く中、売り手市場で思うように人材確保できない企業の苦悩が浮き彫りになっている。

 調査は9月23日から10月5日にかけ、インターネットを通じて実施し、全国の1,302社から回答を得た。それによると、56.3%の企業が採用選考を終了していたが、内定者充足率の平均は77.4%で、前年を0.5ポイント下回った。ここまでの採用活動の感想では「優しい」と回答した企業が0.8%しかなかったのに対し、「とても厳しい」「やや厳しい」の合計が86.3%に達している。

 前年より内定辞退者が減った企業は21.3%だったが、増えた企業は40.3%に上り、人材確保の厳しさが増していることをうかがわせた。採用活動の満足度では、「質・量とも満足」が前年より5.2ポイント減少して27.0%にとどまる一方、「質・量とも不満」が前年を0.6ポイント上回って22.6%となっている。

 2020年3月卒業見込み者の採用予定では、「増える見込み」と答えた企業が19.4%で、「減る見込み」と答えた企業の6.3%を大きく上回った。面接開始のピークは3、4月に集中し、内定出しの開始は4月が29.3%、5月が24.7%。採用活動の日程ルール廃止が及ぼす影響については、「優秀な学生を採用しづらくなる」「採用数を確保しづらくなる」がともに6割を超えている。

参考:【株式会社ディスコ】19年卒内定動向調査/20卒採用活動予定調査~(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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