コロナ禍の3年間で日本人は、感染を「自業自得」とする意識が低い人ほど行動制限意識が弱まり、行動制限意識が高い人ほど自業自得感が強まっていることが、大阪大学感染症総合教育研究拠点の村上道夫特任教授、大阪大学大学院人間科学研究科の三浦麻子教授、慶應義塾大学文学部の平石界教授、同志社大学文化情報学部の山縣芽生助教、広島修道大学健康科学部の中西大輔教授らの研究で分かった。

 大阪大学によると、研究グループは日本、米国、英国、イタリア、中国の5カ国で18歳以上の市民を対象とするアンケート調査を2020~2022年に計3回実施、自業自得感と行動制限意識の関係や経年変化を調べた。アンケートに少なくとも1回以上答えた市民は、日本775人、米国921人、英国761人、イタリア969人、中国1,299人だった。

 その結果、自業自得感は日本で高く、英国で低い傾向が見られた。中国を除く4カ国では2020年から2021年にかけて上昇している。行動制限意識は中国で高く、日本で低かった。日本では2020年から2021年、米国、英国、イタリアでは2020年から2022年にかけて低下している。

 研究グループが自業自得感と行動制限意識に正の関係が見られた日本とイタリアの回答を解析したところ、自業自得感が低い人の行動制限意識が徐々に弱まる一方、行動制限意識が高い人の自業自得感が強まっていることが2国に共通して確認された。

論文情報:【PeerJ】Differences in and associations between belief in just deserts and human rights restrictions over a 3-year period in 5 countries during the COVID-19 pandemic

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