文部科学省科学技術・学術政策研究所は最近の活躍が顕著な研究者に贈るナイスステップな研究者2023に、筑波大学生命環境系の粉川美踏助教、東京大学理学系研究科の杉村薫准教授ら10人を選んだ。
科学技術・学術政策研究所によると、今後活躍が期待される若手研究者を中心に、AI、宇宙、生物など多岐にわたる分野における、様々な社会的課題に関わる研究のほか、研究活動のみならず様々な形で国内外へ広く成果を還元しているという観点で、所内審査会の議論を経て選定した。
粉川助教は東京大学大学院農学生命科学研究科を修了、日本学術振興会の特別研究員やベルギーのカトリックルーベン大学客員研究員を経て2015年から現職。第6回日本食品科学工学会誌の論文賞などを受賞している。紫外から近赤外領域の光を使い、対象食品による吸収、蛍光、散乱を計測して対象食品をそのままの状態で微細構造や食感を調べてきたことが評価された。
杉村准教授は京都大学理学研究科を修了したあと、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員、京都大学高等研究院物質-細胞統合システム拠点准教授などを歴任、2021年から現職。京都大学たちばな賞、花王科学賞などを受賞している。
画像データから細胞の力学を推定する手法を開発、多細胞生物の細胞が協調的にふるまって秩序ある構造を形成することで正しく機能する体を得ることの解明に貢献した。
このほか、京都大学 人と社会の未来研究院の熊谷誠慈教授、千葉大学大学院 園芸学研究院の深野裕也准教授、東京大学大学院 工学系研究科の吉岡信行助教、クイーンズランド大学 環境学部上級講師の天野達也氏、ノースカロライナ大学 グリーンズボロ校アシスタントプロフェッサーの照井慧氏、Stability AI Japanシニアリサーチサイエンティストの秋葉拓哉氏、Pale Blue代表の浅川純氏、オムロンサイニックエックスプリンシパルインベスティゲーターの牛久祥孝氏が選ばれている。