高大連携の強化に向けて積極的な連携活動を推進している玉川大学工学部は、2024年3月12日、東京都立杉並工科高校の探究学習に協力して「デジタル・ものづくりの面白さを体験する特別講義&ワークショップ」を実施した。
特別講義&ワークショップは高大連携推進活動の第一弾として、工学部デザインサイエンス学科の平社和也講師と平社ゼミ所属の3年生が、杉並工科高校機械科2年生の24名を対象に実施した。
午前中は、キャンパス内の工学部関連施設を紹介。大学生が各種コンテントや競技会へ参加しながら研究活動をしているソーラーカー工房やロボティクスラボ、また他学部との連携や共創でおこなわれている研究・開発のプロジェクトの現場を見学した。また、平社和也講師が「チームで挑むモノづくりのコツ!」をテーマに、PBLに向けての心がまえやラピッドプロトタイピングの大切さ、チームワークの強みなどついて講義した。
午後からは、3Dプリンターなどのデジタルマシンを多数導入した最新のファブラボ「メーカーズフロア」でのワークショップを開催。「高校生活で使えるモノを超速でつくろう︕」をテーマに、4~5人のチームを組んで、高校生活で使えるモノを自分たちのアイデアを活かして思い思いに設計して製作した。高校生は3DCADを初めて使い、アクリル板を素材としてレーザー加工機および3Dプリンターによるプロトタイピングに取り組んだ。ティーチャー役として平社ゼミの3年生3名が参加し、日頃の授業や研究室・ゼミで自身が学んで習得している専門知識や技術を活かして3DCADの操作を高校生に直接指導した。
今回、高校生たちの支援を担当したデザインサイエンス科は2023年、モノづくりを通して多様化する課題に対応できる「デザイン能力」を身に付けることをコンセプトに新設され、「プロダクトデザイン」「ロボットデザイン」「環境デザイン」の3つの専門領域を持ち、現場での体験を重視したモノづくりをテーマに多様な視点で技術問題を見出し解決できるリーダーの育成に取り組んでいる。
参加した高校生たちは、新年度から3年生の授業において、1年間を掛けてグループによる課題研究へ取り組むことになっており、今回の特別講義&ワークショップはその導入としても活用され、ものづくりの楽しさを知る機会となった。
工学部長山﨑教授は「玉川大学工学部では先進的でユニークな設備を備えています。本学部の学生の教育・研究だけでなく、総合大学として学内の農学部や芸術学部をはじめとした他学部との連携教育やプロジェクトに取り組んでいます」と語り、今後も高大連携を積極的に推進し、高校からのリクエストにも応じて大学の知見や施設を活かした対応をしていく方針を示した。
参考:玉川大学工学部