2022年度秋学期より、上智大学は、高校生と大学生が探究的な学びで協働するプログラムを全学共通科目(全学の1年生から4年生が履修する共通科目)として開設した。探究学習を軸に高大連携参加型授業を行い、高校と大学を教育実践で接続することを目指す。

 学校法人上智学院傘下の海外教育事業会社Sophia Global Education and Discovery Co., Ltd.(Sophia GED)は、2020年から高校生向けオンライン探究学習プログラム「せかい探究部」を展開している。今回の取り組みは「せかい探究部」を受講する高校生と、新開講科目「探究的な学びを創る」を受講する上智大学の学生が、探究学習を軸に共に学び合う仕掛けを組み込んだ高大連携参加型授業。Sophia GED教育プログラムディレクターと上智大学教員を兼務する新 江梨佳特任助教を中心とするチームが包括的にプログラムと授業を設計・展開する。

 2022年度は「せかい探究部」受講の高校生が上智大学の授業に参加する形式で全4回を実施する。11月16日にガイダンスと交流、11月23日・12月7日は「探究コラボチャレンジ」と題して高校生・大学生混合の少人数グループで協働ワークショップ、12月14日にまとめと対話を行う。受講生は各自の探究テーマや進捗状況を軸に、「せかい探究部」と授業で得た学びを深めていく。

 高校生にとっては、自身の探究をきっかけに大学や大学生と関わる機会を持ち、大学生の視点や知識・ネットワーク等のサポートを得ながら現在取り組んでいる探究を深めるとともに、将来的な大学での学びを想像することにつながる。一方、大学生は探究学習や研究調査等を実践的に学ぶことで研究や社会活動での基盤となる力を養うとともに、ファシリテーションやリーダーシップ等の社会的スキルを伸ばすことができる。また、高校・大学・社会をつなぐ連続的な学びを意識し、大学での学びを再考するきっかけにもなる。

 大学授業科目の受講学生には、高校時代に「せかい探究部」で学び、上智大学に進学した修了生も含まれている。彼らはこのプロジェクトでは大学生として高校生の探究をサポートする新たな立場となり、「せかい探究部」で培った力を還元している。別途、3・4年次を対象としたインターンシップ科目「SophiaGEDグローバルインターンシップ」(グローバル教育センター開講)も設置しており、この科目の受講生がインターンシップの一環として高大連携授業の企画運営に携わっている。

参考:【上智大学】高校生の探究学習を大学生がサポートする高大連携プログラムが始動しました 

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