姫路獨協大学は、2025年度から薬学部医療薬学科の学生募集を停止することを発表した。

 姫路獨協大学の薬学部医療薬学科は、2007年4月に開設された。入試制度の改革、薬学教育に理解を得るための高校訪問、高校生対象の体験入学、リメディアル教育などの充実を図ってきた。また、新たな特待生制度・奨励生制度を整備し、学生の経済的負担の軽減や留学生を対象とした早期入試の導入、高等専門学校をターゲットとした編入学の受入強化など、学生確保に努力してきた。在学生に対しても国家試験対策支援の充実・強化を図り、文理総合大学の強みを生かした多職種連携を教育に取り入れるなど努力を重ねてきた。

 しかし、兵庫県内ならびに近県薬学部との競争激化、18歳人口の減少や経済事情の著しい変化に伴い入学者数が減少。定員の見直しを行い2013年度から2017年度までの入学定員充足率は改善したものの、2018年度以降はコロナ禍等の影響も加わり再び入学定員を下回る状況が続き、今後、定員充足の改善が見込めないと判断した。

 姫路獨協大学は薬学部医療薬学科について、2024年4月に入学した新入生を含め、在学生が全員卒業するまでの間は存続し、責任を持って教育研究の指導、学習支援、就職等の指導・支援に万全を期して取り組んでいくとしている。

 薬学部に関しては、特に私立大学において定員充足率が低い大学があり、この状況を踏まえて、設置等認可の基準が一部改正され、2025年からは薬学部の新設と定員増が不可となっている。しかし、特定の地域においては薬剤師が足りないため、地域枠など例外は認められており、この2年間は新設や定員増と定員減が両方出ている状況だった。

・2023年4月
明治薬科大学薬学部(定員増300→360名 )、青森大学薬学部(定員減70→50名)、奥羽大学薬学部(定員減140→100名)、新潟薬科大学薬学部(定員減180→130名)

・2024年4月
国際医療福祉大学成田薬学部(新設120名)、順天堂大学薬学部(新設180名)、東邦大学薬学部(定員増220→245名)、神戸薬科大学薬学部(定員増270→280名)、城西国際大学薬学部(定員減130→110名)、北陸大学薬学部(定員減105→60名)、姫路獨協大学薬学部(定員減100→60名)、武庫川女子大学薬学部(定員減210→105名)、福山大学薬学部(定員減150→110名)

※いずれも6年制課程のみ

参考:【姫路獨協大学】薬学部医療薬学科の学生募集停止について

姫路獨協大学

「医療系総合大学」への前進

2023年からの姫路獨協大学は、「医療系総合大学」として、医療系教育の充実を図り、姫路・播磨地域に根差した総合大学の歩みを基盤にして、より広い視野と高い専門性を持つ医療系人材の育成を図り、「地域医療」への貢献を推進します。 現在継続している獨協学園や姫路市と[…]

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