京都大学大学院医学研究科の中山健夫教授らと福島県立医科大学、福島県平田村のひらた中央病院の研究グループは、2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故後、福島県三春町が甲状腺被ばくを防ぐために配布した安定ヨウ素剤を服用した当時0~9歳児が63.5%にとどまることを突き止めた。原発事故後のヨウ素剤服用実態が明らかになったのは初めてという。

 調査は2017年、三春町の小中学生を対象にした甲状腺検診時に実施し、事故当時に三春町に居住し、0~9歳だった961人の保護者が回答した。

 それによると、当時3歳以上の子どもは3分の2が服用していたが、0~2歳児は約半数しか服用していなかった。服用しなかった理由で最も多かったのは「安全性への不安」で全体の46.7%を占めた。「副作用や効果に対する情報不足」や「乳幼児の服用方法が難しかった」、「さらなる災害に備え、保存した」との回答もあった。

 研究グループは服用者が少なかったとみており、「効果や服用方法、副作用などについて保護者に十分に説明する必要がある」としている。

 三春町は原発事故後、避難区域に指定されていない自治体としては唯一、妊婦や40歳未満の人がいる世帯に対し、安定ヨウ素剤を配布し、服用を指示していた。今のところ、副作用の報告は上がっていない。

 ヨウ素剤は甲状腺被ばくの防止に効果があるとして世界保健機関(WHO)が服用を勧めている。

論文情報:【The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism】Stable Iodine Distribution among Children after the 2011 Fukushima Nuclear Disaster in Japan: An Observational Study

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