株式会社マイナビは「大学生アルバイト調査(2024年)」の結果を公表した。6回目となる本調査では、SNSでのアルバイト探しが増える一方、その危険性もみられ、アルバイト選びに親の関与や許可を得る学生が増えていることがわかる。また、就職活動を意識してアルバイトを選ぶ割合が過去最高を記録した。

 調査は大学生のアルバイトの実態と意識を明らかにする目的で、18~23歳の大学1~4年生 (短期大学、専門学校、大学院生は除く)を対象に2024年2月15日(木)~2月19日(月)に実施した。回収数は就業者913サンプル、非就業者381サンプル。

 調査によると、アルバイトをしている大学生は71.1%で前年より2.7ポイント増加。アルバイト探しの情報収集源は、「アルバイト求人アプリ(48.8%)」が最も高く、次いで「アルバイト求人サイト(48.1%)」。前年から最も増加したのは「SNS(24.3%)」で、5.5ポイント増えた。

 SNS経由で応募経験があると答えたのは26.5%と前年比4.7ポイント増。実際にSNS求人で働いた経験も24.6%と前年から5.5ポイント増えており、SNS経由でのアルバイト探しが浸透しつつある様子がうかがえる。一方、SNSで怪しい求人の勧誘を受けた割合は16.6%。6人に1人程度の割合となり、SNSの危険な一面が見える。

 アルバイト選びの際に親の関与がある割合は60.0%で前年より3.6ポイント増加。関わり方は「アルバイト先を決めるときに親の意見を参考にした」が61.6%と最も高く、次いで「アルバイト許可証を発行するために親の許可をもらった」が29.7%となった。

 また、SNS経由でアルバイトを探した経験がある人は、ない人よりも「アルバイト先を決定する際に親の関与がある」が高く、65.5%で8.2ポイント上回った。いわゆる「闇バイト」に知らないうちに加担してしまうことが社会問題となるなか、事前に親へ相談する人が増えていることが推察される。

 今回の調査のもうひとつのトピックが、就職活動との関連だ。就職活動を意識してアルバイト先を決めた割合は31.5%で、2020年の調査開始以来最高となった。アルバイト選びで重視したことは、「正しい言葉遣いができるようになる(50.4%)」が最も高く、前年比でも7.2ポイント増と最も増えた。次いで「専門的なスキルを深める又は身に付ける」(6.3ポイント増)、「正社員に近い仕事をする」(5.4ポイント増)。ビジネスマナーに加えて、専門的なスキルの習得を意識してアルバイト選びを行う大学生が増えた様子がうかがえる。新卒採用で職種別採用が広がり、必要なスキルが明確になったことが影響しているとみられる。

 キャリアリサーチラボの三輪希実研究員は「就職活動を意識してアルバイト選びをしている学生が過去最高となった。新卒採用において職種別採用が広がる中で、社会に出る前にアルバイトを通じて専門的なスキルを身に付けたいと考える学生の意識がうかがえた。また、SNSでのアルバイト探しは、応募の手軽さや働き始めるまでの期間が短いことなど効率的な一方で、怪しい求人の勧誘を受けた学生もおり、危険な一面も見られる結果となった。社会経験が少ない学生がトラブルに巻き込まれないように、身近な大人である親から積極的にコミュニケーションを取っていくことも重要であると考えられる」とコメントした。 

参考:【株式会社マイナビ】マイナビ、「大学生のアルバイト調査(2024年)」を発表

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。