「秋の睡眠の日」とされる2024年9月3日、岩崎学術出版社より『対人援助職に知ってほしい睡眠の基礎知識―支援が変わる眠りのミカタ―』が出版された。編集・執筆は江戸川大学の社会学部人間心理学科教授で江戸川大学心理相談センター長、江戸川大学睡眠研究所研究員の山本隆一郎教授(専門:睡眠行動医学)による。
『対人援助職に知ってほしい睡眠の基礎知識―支援が変わる眠りのミカタ―』は、公認心理師や看護師、精神保健福祉士、保健師、養護教諭、介護士などの対人援助職や、これらの専門職を目指している学生、専門職の養成者などを読者に想定。対人援助の現場で、睡眠に関する相談や困り事に対する適切な声がけや支援、対応方法に悩む人々に向けて、知っておいてほしい「睡眠」についての基礎知識をまとめた。
実際に睡眠問題に対する支援や治療を行っている執筆者たちが、睡眠理解に必須の基礎知識から支援・治療までを簡潔に解説しており、豊富な知識と経験に裏付けられた実践のヒントが得られる。「専門書と一般書を」、また「知識と実践を」架橋するような内容かつ、各節完結型の構成となっており、順に読むと基礎から実践応用へと理解が深まり、また、必要に応じて読みたいところを「つまみ読み」することもできる。
「睡眠について勉強をして、現場で応用することは大切だ」と感じつつも、「時間的にも認知的にも多大なコストをかけることは厳しい」けれど「睡眠に問題や疑問を抱えている方への支援や声掛けを自分でも考えられるようになりたい」というリクエストに応える一冊となっている。
編集・執筆を担当した人間心理学科の山本 隆一郎教授は江戸川大学睡眠研究所の研究員、江戸川大学心理相談センターのセンター長でもある。睡眠研究所は人文系大学としては国内で初めて設置され、「防音電磁シールドルーム」などの研究施設と実験機器を活用し、睡眠に関する諸問題と改善に向けた研究を行っている。また、心理相談センターはキャンパス内に相談用の部屋が6つ、遊戯療法が実施できる広いプレイルーム、集団療法や箱庭療法を行うための専用の部屋を複数備えており、地域貢献の一貫として心理相談サービスや講演会などを行っている。