2024年9月30日、佐賀大学は、学部相当組織である「コスメテックサイエンス学環」を、2026年度に入学定員30名で新設する構想を発表した。複数学部の横断的な教育を実現する「学環」として設置される予定で、この分野については国公立大学で初となる。
「コスメティックサイエンス」とは、化粧品や化粧品に使われる医薬品に含まれる化学物質が、私たちの体とどのように関わるかを研究する分野。同学環は、「化粧品」という狭い意味ではなく、化学、生物学、皮膚科学、薬学、工学など複数の学問を融合し幅広い視点から学ぶ。
佐賀県はコスメティックの本場であるフランスと連携し、唐津市と玄海町を中心とする北部九州に化粧品産業の集積地をつくる「唐津コスメティック構想」をスタートしている。2013年には産学官連携組織である「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」が設立され、地元の化粧品関連会社を中心に、佐賀県、唐津市、玄海町などに加え、大学では佐賀大学と九州大学が参加している。
財務省貿易統計によると、日本の化粧品輸出額は2016年に初めて輸入金額を上回り、2022年では、輸出金額が輸入金額の2倍以上に増加している。世界で見ると、大きな伸びが予測される成長産業となっているが、化粧品業界で幅広い知識や技術を持つ人材が不足しており、その育成が期待されている。