電気通信大学を代表に筑波技術大学、九州工業大学、名古屋工業大学、および順天堂大学が協同で提案した「コミュニケーション・バリアフリー事業」が、東京都の大学研究者による事業に採択された。
東京都は、都内大学研究者から研究成果・研究課題を踏まえた事業提案を募集し、研究者・大学と連携・協働して事業を創出する制度(大学提案)を実施している。2024年度に大学研究者から事業案を募集した結果、46件の事業が提案され、都民によるインターネット投票の結果等を踏まえて5件の事業を2025年度予算案に反映した。
このうち、電気通信大学を代表とする「コミュニケーション・バリアフリー事業」は、2025年度から2027年度の3年間の事業案となっており、事業内容の詳細は3つある。1つ目は、きこえない人やきこえにくい人、支援する人を対象に、手話言語および音声言語を扱う対話型AIコミュニケーションシステムの新たな用途を調査すること。2つ目は、読唇技術やモバイル技術等を活用した新規端末の開発と試験導入すること。3つ目は、対話型AIコミュニケーションシステムの実用化を推進する人材を育成して、東京発コミュニケーション・バリアフリー事業の持続的な活動基盤を構築することとなっている。
事業実施の効果としては、都内の行政窓口や公共交通機関などにおいて、聴覚に障がいがある方への支援サービスの拡充や、受付や手話通訳などの業務環境の改善などが期待される。
同提案の採択に伴い、2025年2月12日に感謝状贈呈式が東京都庁で開催された。提案代表者として電気通信大学の髙橋祐樹教授が参加し、小池百合子東京都理事より感謝状と記念の盾を受け取った。
<令和6年度大学提案 予算案への反映事業>カッコ内は総事業費(見込み)/期間
東京科学大学:【保健医療局】都民の「生きる」を最後まで支える、医療・介護職のACP実践力の育成(1億円/3年)
電気通信大学:【福祉局】コミュニケーション・バリアフリー事業(3億8,000万円/3年)
帝京平成大学:【保健医療局】小学生向け医薬品の適正使用に関する学習アプリ開発事業(3,000万円/3年)
東京大学:【環境局】ソフトシステムを通じた都市型サーキュラーエコノミーモデルの社会実装(9,000万円/2年)
東京大学:【福祉局】インクルーシブ保育の推進に向けた情報・教育的コンテンツの整備事業(7,000万円/3年)
参考:【電気通信大学】電通大を代表とする提案が東京都の大学研究者による事業提案に採択 ~コミュニケーション・バリアフリー事業~
【東京都 財務局】令和6年度大学提案