順天堂大学とパルス株式会社は、慢性の神経痛、入院時の不安やストレスを緩和する共同研究「VRを用いた慢性疼痛緩和の臨床研究」において、医療用VRシステムを特許出願。サービス名称を「うららかVR」とし、パイロット提供を開始する。

 医療用VRシステム「うららかVR」は、順天堂大学大学院医学研究科・堀江重郎教授、医学部麻酔科学・井関雅子教授の臨床研究に基づき、入院時の不安緩和と、3か月以上続く慢性化した神経障害性疼痛の緩和を目的に開発された。持ち運び容易なモバイル一体型のVRで、あおむけに寝た状態(仰臥位)でも使用可能。自宅や入院時のベッド等、どんな姿勢にも対応する。

 一般家庭でも不安・慢性疼痛の緩和が可能となるVRサービスは世界初。特に、神経引き抜け損傷、幻肢痛(げんしつう)など、慢性の神経性の痛みを持つ人に、痛みや不安との向き合い方の提案として試してほしいという。また、クリニックや医療提供者向けには、利用状況がリアルタイム集計される管理画面を提供。日々のVR利用者のNRS・VASスケール(痛み度合い)等を管理画面から統計的に測定できる。

 VRは瞬間的に患者のいる環境を変えることができ、痛みを感じることへの「集中」「執着」から切り離せる可能性がある。ビデオゲームを行うと、知覚および手指を動かす運動神経が働き、不安や恐怖、疼痛と関わる脳内の「扁桃体」という領域に作用し、不安や恐怖、疼痛が減ることがわかっている。またゲームで「報酬」を得るとドーパミンという脳内ホルモンが産生されるが、このドーパミンも痛みや恐怖を抑えることが最近わかってきた。これらのことから、VRを医療に活用する、または、治療として定期的に利用することで、慢性の神経痛、入院時不安・ストレスを緩和できるのではと、“VR医療”に期待が寄せられている。

参考:【株式会社イグニス】順天堂⼤学との共同研究に関する特許出願 『VRを⽤いた慢性疼痛の緩和』システム パイロット提供開始のお知らせ 〜慢性の神経痛、⼊院時不安・ストレスを緩和する「VR医療」〜

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大学ジャーナルオンライン編集部

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