「リケジョ」と呼ばれる理工系分野を専攻する女性研究者の数が伸びていないことが、政府が閣議決定した2019年度版男女共同参画白書で分かった。白書ではキャリアの参考になる身近な事例が少ないことなどが原因とし、女性が働きやすい環境整備やキャリア教育の必要性を訴えている。

 白書は第1節と第2節で女性教育の進展と女性が多様な進路選択を可能にするための取り組みについて特集している。それによると、女性の高等教育は短期大学から4年制大学へ移っているが、進学先は学部の偏りが著しく、理学や農学、医学、歯学、社会科学では女性の割合が2018年度で3割超、工学では15%にとどまっている。

 研究者で見ると、女性の割合は16.2%で、諸外国に比べて際立って低い現状が続いている。中でも研究者数が最も多い工学分野は、女性の割合が大学で11.1%、企業で5.6%の平均6.2%でしかない。

 OECD(経済協力開発機構)が実施した学習到達度調査では、日本人女子の科学、数学的リテラシーは日本人の男子より低いが、諸外国より高かった。このため、白書は成績ではなく、環境要因から女性の理系進学が少なく、リケジョの道を選んでいないとみている。

 女性が大学進学時に就職に有利な資格取得を重視し、身近にキャリアのモデルとなる女性の存在が少ないことなどが影響しているとしている。出産や育児に伴う離職とその後の再就職を前提としている面もあるとして、女性が働き続けられる職場環境の整備やキャリア教育が必要と強調している。

参考:【内閣府】令和元年版男女共同参画白書(概要版)(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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