化粧品産業の世界最大クラスターであるCosmetic Valley(フランス)が主催する最先端化粧品技術を競うコンテスト「Cosmetic Victories2019」で、大阪大学大学院薬学研究科「先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座」の中島輝恵特任研究員が最優秀賞を受賞した。

 大阪大学大学院薬学研究科は株式会社マンダムと2015年6月に共同研究講座「先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座」を設置し、岡田文裕招へい教授ら共同研究グループは次世代制汗剤の開発につながる研究を行ってきた。その中で、これまで解析が難しいとされてきたヒト汗腺の三次元構造の発汗収縮における時間的な変化を三次元ライブイメージング法(三次元の動きを動画で観る方法)によって明らかにした。

 中島輝恵特任研究員は、この観察技術の応用として、既存の制汗剤に多い“汗腺の出口にフタをする”制汗剤ではなく“汗腺を眠らせる”ことで発汗を抑える新しい制汗剤コンセプトを提案。この提案が「Cosmetic Victories 2019」で最優秀賞を受賞した。従来の“汗腺の出口にフタをする”制汗剤は、抑えきれない汗や皮膚炎、有効成分による服の黄ばみ等の問題があるが、発汗時の汗腺の収縮を抑え“汗腺を眠らせる”次世代制汗剤が開発されれば、これまでの制汗剤の問題点の解決と昨今の生活者の悩みである多汗や汗臭の改善などにも大きく役立つと期待される。

参考:【株式会社マンダム】日本の研究グループで初!Cosmetic Victories 2019で最優秀賞を受賞

大学ジャーナルオンライン編集部

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