科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会は科学研究費助成事業のうち、「新学術領域研究」を見直して新設する「学術変革領域研究」の概要を取りまとめた。文部科学省は2020年度から学術変革領域研究をスタートさせる方針で、科研費の2020年度予算概算要求に盛り込んでいる。

 文科省によると、学術変革領域研究はこれまでの学術の体系や方向を大きく転換する研究領域の創設を目指したもので、従来の研究種目に先立つ初期の挑戦と位置づけられ、少数や小規模の研究グループによる挑戦的な研究も含めて科研費で支援する。支援の応募額は3億円までと規定したが、真に必要な場合はそれを超える応募も可能としている。研究期間は3~5年間。

 45歳以下の若手研究者が領域代表者か、複数の研究代表者として加わっていることが条件で、日本固有の研究分野や国内外に例を見ない研究を対象とする。

 科研費にはこれまで、学術の新しい領域を生むものとして新学術領域研究があったが、領域代表者の下に研究室主宰者8~10人のグループが個別の研究計画を携えて参画、途中で公募研究を追加するものだった。

 しかし、スタート時点は小規模の方が効果を上げられるとの指摘が相次ぎ、見直すことにした。研究費部会は4月に科研費改革の作業部会を立ち上げ、日本学術振興会などの意見も参考に見直しを進めていた。

参考:【文部科学省】第10期研究費部会(第5回)配付資料>「学術変革領域研究」について(案)(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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