新型コロナウイルス感染症に関して毎日のように政府や自治体から重要な情報が発信されるなか、首都圏に住む在留外国人に正確な情報を届けようと、大学生らが立ち上がった。東京外国語大学の在学生と卒業生を中心に結成されたボランティア集団による「COVID-19 多言語支援プロジェクト」だ。

 「COVID-19 多言語支援プロジェクト」では、政府や自治体等から公式に発出された日本語の情報を手分けして翻訳し、ウェブサイトに掲載している。内容は、「住居確保給付金」や「特別定額給付金」といった経済支援や新型コロナに関する医療相談窓口、仕事、休校中の子供の教育など生活に必要な情報をワンストップで提供する。

 現在は「やさしい日本語」と英語で掲載しており、5月10日からは韓国語、簡体字、繁体字、スペイン語、フランス語、ベトナム語、アラビア語、イベリアポルトガル語を加えた10言語で対応する。また、今後はブラジルポルトガル語、ドイツ語、インドネシア語、タガログ語などにも広げていく。

 プロジェクトに関わるメンバーは東京外国語大学の卒業生や在学生で、他大学からも呼びかけに応じた有志が参加している。「本来こうした情報発信は政府・行政機関が専門人材を雇って行うべきですが、ウェブサイトにおける多言語表記や多言語での電話問い合わせ窓口などは非常に限られているのが実情。行政のマンパワー不足を嘆くだけでなく、一般市民がそれぞれ得意なことを活かして掬い上げることもできるのではないか」。代表の石井 暢さん(2020年東京外国語大学フランス語学科卒業生)は立ち上げた動機をこう語る。

 日本に滞在する外国人はこれまで、経済支援が受けられるかどうかわからない、感染の不安があっても日本語で症状が説明できない、外出自粛要請の詳細がわからないといった不安とストレスにさらされ続けている。プロジェクトを通じて、日本に滞在する外国人が正しい情報に基づいて行動し、コミュニティの一員として安全に、また安心して生活し続けられることを目指す。

参考:COVID-19 多言語情報ポータル
【note】【COVID-19】外国人向け情報発信を始めます

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大学ジャーナルオンライン編集部

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