コロナ禍の感染リスクや妊婦の不安を軽減するため、慶應義塾大学病院産科外来は、2020年6月23日より遠隔による妊婦健診および健診支援を開始した。システム運用は慶應義塾大学病院、中部電力株式会社、メディカルデータカード株式会社が共同で行う。
遠隔妊婦健診は、妊婦の同意のもと、メディカルデータカード社のアプリ「MeDaCa」を活用。医師と妊婦のビデオ通話による診察や、検査結果・処方箋控えデータ等をオンラインでアプリに送信する。また、中部電力のデータプラットフォームを活用し、妊婦が自宅で計測した血圧や体重データを医師が診察の際に確認する。
新型コロナウイルスが蔓延していても、遠隔健診であれば、妊婦の通院による感染リスクや身体的・精神的負担を軽減できる。さらに在宅時の血圧・体重データを活用し、対面と同様のきめ細やかな診療を自宅で安心して受けられる。将来的には、スマートフォンを用いて、定期的な妊婦健診は可能な限り遠隔で実施したい考え。
慶應義塾大学病院は、内閣府より戦略的イノベーション創造プログラム「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」の研究開発事業を受託。その一環として、在宅患者の見守りや遠隔診療支援、コミュニティヘルスケアサポートについて、中部電力と共同で研究を進めている。今回の取り組みはその成果の一つ。
今後も、産学連携により、AI・IoT 技術等を用いて、医師がより正確な診断を行うための支援や、医師と患者のコミュニケーションサポートなど、人々が健康的でより良い医療サービスを享受できるようなサービスの開発に努めていく。