慶應義塾大学医学百寿総合研究センターと熊本大学、岐阜薬科大学らのグループは、110歳を超える超長寿者「スーパーセンチナリアン」を含む多年代高齢者コホート研究により、心血管病のバイオマーカーと血漿アルブミンが究極の長寿と関連することを見出した。

 近年、世界的な長寿化により100歳以上の高齢者の人口は増加しているが、それでもスーパーセンチナリアンの数は未だ希少であり、どのような生物学的メカニズムによって究極の長寿が達成されているのかはわかっていない。

 本研究では、世界の高齢者の死因の第一位を占める心血管病に対する防御機構が、スーパーセンチナリアンの長寿の秘訣ではないかと考え、東京百寿者研究、全国超百寿者研究、TOOTH研究の3つの超高齢者コホート研究の統合データを解析し、36名のスーパーセンチナリアン、572名のスーパーセンチナリアン予備軍(105-109歳)、288名の百寿者(100-104歳)、531名の超高齢者(85-99歳)の計1,427名を対象に、心血管病に関連する血液バイオマーカーと生命予後(調査時点からの生存期間)の関連を検証した。

 その結果、心不全のバイオマーカーである神経内分泌因子NT-proBNPが、心血管病リスクと独立して長寿者の生命予後と有意に関連していることが判明した。特に105歳以降の余命と強く関連しており、この物質の血中濃度が低いほど110歳以上まで到達する可能性が高いことを発見した。

 また、栄養状態を反映し、高齢者の予後予測因子としても重要な血漿アルブミン濃度は全年代の総死亡率と関連しており、アルブミン濃度が低いほど全年代の総死亡率が高いことがわかった。

 本研究により、限界寿命に迫る超長寿者の生物学的な特徴の一端が明らかにされたことで、高齢者の心血管病の予防法や新しい治療法の開発の糸口につながることが期待される。

論文情報:【Nature Communications】:Associations of Cardiovascular Biomarkers and Plasma Albumin with Exceptional Survival to the Highest Ages

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大学ジャーナルオンライン編集部

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