2020年8月7日、茨城大学は遠隔授業に関して学生に行ったアンケート調査の結果を発表した。
茨城大学では新型コロナウイルス感染症対策として、2020年4月30日より前学期を開始し、8月12日の前学期終了までは原則としてすべての授業をオンラインによる遠隔授業を行った。アンケート調査は第1クォーターの授業が終了した6月19日の段階で実施し、対面授業が中心だった前年度と比較した。回答は全学部で164科目を受講した学生で、6301の回答を得た。
調査の結果、遠隔授業において十分な学修ができたかについては、76.1%の学生が肯定的な回答をした。また授業の理解度・満足度の平均値は前年より上昇し、予習・復習の平均時間も昨年度より1.2倍増加した。
この結果について、遠隔授業の実施にあたり、インターネットへの負荷軽減なども考慮して、授業資料の事前アップロードを教員に呼びかけていたことから、学生たちも予習・復習に活用しやすかったということが考えられる。また、これまで一般的に大学生は自宅学習時間が短いとされてきたが、授業に係るコンテンツや資料を適切に提供することによって、予習・復習の時間が伸び得るという期待感が示された。
自由記述からは、遠隔授業に肯定的な意見が多かった一方で「質問しにくくなった」「教員を遠く感じた」「だらけてしまう」という意見も一定数見られ、遠隔授業に向いている学生と向かない学生に分かれている傾向が見て取れた。そして、多くの学生が「早く大学へ行きたい」という切実な思いを抱いていることがわかった。
茨城大学では、今回の調査結果を授業の改善に活かすとともに、遠隔授業にかかわる技術や知見を活かした教育マネジメント改革を今後も進めていく。