フィリピン科学技術省とフィリピン大学、北海道大学、東北大学が共同開発した50キロ級の超小型衛星「DIWATA-1」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡されました。DIWATAはフィリピン語で妖精を意味し、フィリピンの技術者が開発した初めての超小型衛星。フィリピン政府が開発から打ち上げまでの費用を負担し、米国の商業宇宙船で打ち上げられる予定です。

 JAXAによると、DIWATA-1は地球観測と気候変動のモニタリングを目的に開発され、衛星バス部を東北大学、センサーなどペイロード部を北海道大学が支援しました。フィリピンの研究員、留学生を東北大学と北海道大学が受け入れ、日本国内で日比共同開発を進めました。
納入されたDIWATA-1は衛生搭載ケースに収納され、筑波宇宙センターから米国航空宇宙局(NASA)へ送られました。打ち上げ後は国際宇宙ステーション宇宙実験棟の「きぼう」から宇宙へ放出されます。

 フィリピン政府は2016年のアジア・太平洋宇宙機関会議がフィリピンで開催されることに合わせ、宇宙機関の創設に向けて準備を進めています。JAXAはアジア地域唯一の国際宇宙ステーション参加機関として、フィリピンの科学技術発展に協力し、宇宙での実証実験の場を提供しようと、衛星開発を任せました。東北大学、北海道大学はフィリピンの人材育成に協力するため、研究者を受け入れました。

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