浜松医科大学地域家庭医療学講座の金子惇特任助教(現横浜市立大学講師)が米国ピッツバーグ大学、ミシガン大学、ラトガース大学との共同研究で、年に5回以上の救急外来利用者を「頻回救急外来受診者」と定義し、静岡県内の2次救急病院・3次救急病院での割合を調査した。

 同じ人が複数回救急外来を受診する「頻回救急外来受診」は、救急外来の負担や医療費増大などの観点から世界的に課題となっている。しかし、日本ではこれまで単施設についての報告が主であり、費用に関する検討も十分ではなかった。そこで、研究チームは、静岡県内の2病院の協力を得て、頻回救急外来受診者の割合及び2次救急病院と3次救急病院での頻回救急外来受診者の特徴の違いを調査した。

 静岡県内の2次救急病院、3次救急病院それぞれ1か所の救急外来を1年間に受診した20,388人(25,231件)の診療録を調べると、頻回救急外来受診者は134人(1,043件)で、受診者の約0.6%、受診件数全体の4.1%だった。これらにかかる医療費の合計は7200万円で、2病院の総医療費に占める割合は1.9%。頻回救急外来受診に関連する要因は年齢、生活保護受給が有意となっていた。

 今回の調査結果から、諸外国の先行研究と比較し、頻回救急外来受診者の割合や医療費に占める割合が少ないことが分かった。今後は、この結果が日本の他の地域にも当てはまる傾向なのか、もしそうであればなぜ日本では少ないのかなどの研究に繋げていく予定。また、海外では患者・医療機関双方の負担を減らすため、頻回救急外来受診を適切に減らす方法が検討されており、日本でも同様の研究に繋がっていくと考えられる。

論文情報:【BMJ Open】Differences between frequent emergency department users in a secondary rural hospital and a tertiary suburban hospital in central Japan: a prevalence study

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大学ジャーナルオンライン編集部

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