東京大学の理科3類入試で面接が2018年度、11年ぶりに復活することになりました。医学部に進む理科3類は全国最難関の入試といわれていますが、面接を再導入して医師にふさわしい人材を多面的に選ぶのが目的。7月末までに面接試験の実施方法を公表し、2018年2月の入試から実施されます。

 東京大学によると、面接が再導入されるのは前期日程の2次試験。教員がマニュアルにとらわれずに自由に質問し、患者に対する適性があるかどうかなどコミュニケーション能力を評価します。他類への導入は理科3類の実施状況を見て検討することにしています。

 東京大学は1999年度から2007年度までの前期日程2次試験で面接を実施していました。当時は事前に決まっている質問をしていましたが、臨床試験が必修化されるなど入学後に総合的な人物評価ができるようになったとして廃止していました。しかし、高得点で入学してもコミュニケーション能力に欠ける学生がいて、やる気をなくす姿が見られるほか、最難関の入試に受かることが目的で、医療への関心が薄い学生もいることなどから、再導入することにしました。

 東京大学の各学部は文科1~3、理科1~3の6類から成る前期課程(教養学部)と、進学が内定した学部、学科で専門教育を受ける後期課程(専門学部)に分かれています。そのうち、理科3類は前期課程で生物学、化学、物理学を中心に学び、後期課程で医学部に進学します。

東京大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。